(厳密に言うとユーロペッグ制とは言わないですが)
スイス中央銀行が国内経済の安定のため、ユーロ/フランにて1.20を下回らないように無制限に買い支えると宣言したのが2011年、この片側ユーロペッグ制のような体制が崩れ去るのではと思わせる動きがここのところ目立つようになってきています。
ユーロフランの現在のレート
2014年11月頃からジリジリと下げ始め、この介入宣言以来初めてボーダーである1.20に肉薄してきており、2014年12月12日18時時点で1.2007あたりで推移しています。当初から、前例のない片側だけを固定するいびつな手法に疑問の声も多かったこの宣言ですが、ここにきて動きに注目する人も増えてきたようです。
もしも1.20を突破してしまうと、1.20の少し下の価格帯には大量の損切り注文があるため、短時間で為替市場稀に見る暴落が起こる可能性があります。市場にはユーロペッグ制を前提にした取引手法を実践している人も少なくなく、動きがあった場合は市場参加者への影響はかなり大きいと思われます。日本円にも少なからず影響があるかもしれません。本件、日本ではあまり報道されていませんが、海外のFX業者ではユーロフランの証拠金引き上げの動きが目立ちます。
個人的には、1.20を下回る可能性を見越して11月にショートポジションを立てましたが、もし1.20を下回る恐れが薄れた場合は逆に大きく上昇する可能性も捨て切れません。また、ミラートレーダーにおいて、ユーロフランを扱うストラテジーは全て手動決済のうえ、外すことにしました。相場が1.20を巡る思惑によって動くと思われるので、基本的にテクニカルで売買決定するストラテジー向けの相場ではないと判断したからです。
どことは言いませんが、とある情報商材屋が「ユーロフランが下限まで下がってきているので今が買いのチャンスですよ!」と買いを煽り続けてますが、大丈夫なのかと他人事ながら心配になります。あくまで個人の見解ですが、ユーロフランが再び上昇軌道にのったときのリターン量よりも、1.20を割って暴落するリスク量のほうが大きい気がしてなりません。ユーロフランでナンピンやマルチンゲールしてる人はもしかすると破滅的な損失を蒙ることもあり得ます。
暫くユーロフランの動向を見守りたいと思います。
2014年12月12日